今回登場する松本誠二さんは、
スバル代行という会社の社長をしながら、
ソーシャルネットワークやラジオのパーソナリティなどで
発信をすることによって、さまざまな方とのつながりを深めている方です。
今回は、彼に「つながること」「はたらくこと」について聞いてみました。
名前 | 松本 誠二 |
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職業 | 代行業経営、「松本誠二」 |
趣味 | 料理と妻 |
略歴 | 96年 ㈲スバル代行入社 |
イ:松本さんは、何歳になりますか?
松:今年38歳です。
イ:松本さんは、「スバル代行」という会社の代表をされています。代行業のメインの時間帯は夕方から深夜までというイメージですが、朝は早いですか?
松:朝、4時ぐらいには起きます。
イ:代行の仕事は何時まで?
松:代行は5時ぐらいまでですが、僕がしているわけじゃないので…。
イ:?…。代行の仕事には関わらないんですか?
松:まぁ、月に数日出るくらいですね。
イ:じゃあ、会社の人とか運転手の人に働いてもらって、それに対しては全然タッチしてないのですか?
松:シフトを組むことには関わりますけど、現場には週に1度程度、忙しい金曜日とか、人がいないとき、出ることがありますね。
イ:昔からそういうパターンですか?
松:経済団体に入会した時にそういうスタイルに変えたんですよ。
イ:何故?
松:夜、例会とかに出ないといけないから…。
イ:でも、そんなに頻繁じゃないですよね。
松:そうなんですけど。それまでは夜会社にいないなんて、絶対無理だと思っていたんですよ。でも、「自分で時間をつくるのも、経営者の資質だ」と言われて、「確かに一理あるな」と思いまして…。だいたい僕が夜いないとこの会社は回らないのかと思って…。根本の所から変えていって、任せられる方に「基本はお願いします!」という形にしたら良くなりました。別に僕が出なくても、みんなが働けばいいんだ。と気がついたんですね。
イ:そうすると、会社の士気が下がりませんか? 「社長は何してるの?」って。特に松本さんの場合、いろんなメディアで発信しているでしょう…。
松:確かに、従業員にとっては「(社長が)何をやっているかわからない」とも思います。でも、派手な遊びとか興味ないですし、従業員から「あいつ、何やってるんだ!」と言われることはしてないつもりです。たくさん役員報酬もらって派手なことをしているとなると、面白くないと思うでしょうけど…。
イ:その境目をきちんとしていないと士気が下がりますよね。
松:それは、やることやってないからじゃないですか?
イ:実際、売上は伸びていますか?
松:伸びています。従業員には代行で運転する以外のことは求めていませんから、それ以上のことは言いませんし、従業員が運転に専念できるように、雑用は私がやります。私は、朝4時ごろに出社して、一日の報告を受けたあと帳簿仕事をするんです。これが結構時間かかるんですよ…。
イ:いつ寝てるんですか?
松:平日は夜11時頃までに寝ていますよ。
イ:だから24時間起きているような印象を受けるんですね。
松:そうですね。だいたい夜11時から朝4時までの5時間睡眠ですね。それが、普通の人と比べて多いのか少ないのかわかりませんけど…。
イ:会社は、第三者から譲り受けた形ですよね?
松:はい。きっかけはそうです。
イ:代行の仕事がすごく儲かる宝の山ならラッキーですけど、おそらくそこまででもないし、先代のカラーがあるわけだし、結構難しい選択だったんじゃないですか?
松:それはあるかもしれないです。僕が変わっているのかもしれない。
イ:他にはたらく選択肢がなかったってことですか?
松:それもあるかもしれないですね。人脈はないし、何のスキルもないし、やりたいこともないし、他にないなぁ…みたいな感じですかね…。
イ:それが何歳ぐらいの時ですか?
松:23歳ぐらいですね。
イ:やってみてどうでした?
松:ひどかったです。最悪でした…。
イ:先代は、廃業しようと思っていたの?
松:バブルの頃は最高だったらしいです。今ほどの規制もなく儲かったみたいです。調子に乗ってやりたい放題で、僕が入った時は、もうズタズタでずさんな経営状態でした。
イ:会社に借金はありましたか?
松:借金はなかったです。
イ:借金がない会社ならリスクはそんなにないですよね。
松:リスクはないですけど、環境は最悪でした。
イ:どんな環境だったんですか?
松:先代は誰でもウェルカムだったんで、実に個性的な従業員がいっぱいいました。社長は僕を後継者にしようと従業員に伝えていましたが、僕にはそういう人たちを束ねる甲斐性はないし、いじめもひどく20代の人が働くような現状ではなかったです。「絶対、辞めさせてやる!」みたいな空気の中でやってきて、最初はこの先この人達とやっていく自信はありませんでした。
イ:そんな中で、意識の変化があったんですか?
松:環境は最悪で、経営がずさんだということは、打つべき手はいくらでもあるなと思いました。
イ:会社としてやることをやってなかったということですか?
松:何もやっていませんでしたね。
イ:具体的にはどういうことから始めたんですか?
松:まず「制服をきちんと着てください。」とか「就業規則を守ってください。」などの基本を指導していきました。規則を守れない人は、一つ一つ厳しくやっていくと居辛くなるんですよ。結局、3年くらいで、ほとんど入れ替わった感じです。そうすると、次第に会社の雰囲気も良くなってきますよね。
イ:やっぱり、3年くらいかかるんですね。
松:そうですね。その頃が一番厳しい時期です。今思うと、それだけのエネルギーを使うんだったら、自分でゼロからやっていれば、もっと楽だったのではと感じることもあります。
イ:その過程で、面白かったことはありますか?
松:代行のチラシ作ったり…今まで何もやってなかったから、何でもやれば、効果が出るんですよ。そういう所は面白かったです。
イ:そういう努力の積み重ねで現在があると思いますが、代行業は飲酒運転が厳罰化された以降はピークを過ぎていますよね。
松:過ぎています。
イ:次の展開は考えているんですか?
松:どうしようかなぁと思ってるんですよ。大阪に営業所を出すか、会社はこのまま温存して、僕が違うキャラクターで、違う仕事を始めるか、どっちかしかないな。と思っています。
イ:代行業を県外に展開する…。仮にそういう選択をする場合、自ら前線で指揮をとるのか、他の社員に任せるのか…。はっきり言って、私には松本さんが代行業を積極的に展開するというイメージが湧かないんですけど…。
松:それはケースバイケースだと思います。本業を更に発展させるためには、何処か他の場所に営業所を出すしかないと思いますけど、それは僕がやりたいことではないです。方向音痴だから知らない土地で仕事をするのは嫌です。だけど、このまま米子で1割伸ばすことに無理があるなら、5割伸びる展開をした方がいいだろうとは、思うわけですよ。でも、自分のやりたいことではないから、出来ればやりたくない。ワクワクすることではないですけどね…。
イ:・・・。私もそうなんですけど・・・。もしかすると、「自分は経営者に向いてないのでは?」と思ったりすることはありませんか?
松:それはすごく思います(笑)
(取材/2012年7月14日)
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松本誠二
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