松本誠二さん

今回登場する松本誠二さんは、
スバル代行という会社の社長をしながら、
ソーシャルネットワークやラジオのパーソナリティなどで
発信をすることによって、さまざまな方とのつながりを深めている方です。
今回は、彼に「つながること」「はたらくこと」について聞いてみました。

人物図鑑インデックス

松本誠二_index
名前 松本 誠二
職業 代行業経営、「松本誠二」
趣味 料理と妻
略歴 96年 ㈲スバル代行入社
 
 

第2回 ネットワークでつながるということ

イ:松本さんは、将来「松本誠二」として身軽な個人で生きていきたいと考えている印象があります。

松:確かにそうなりたいと思ってはいます。でも現在は「スバル代行」と「松本誠二」の2本柱です。やりたくないけど、しないといけないことと、個人でやりたいことがあるわけです。将来は「松本誠二」というキャラクターをブランド化して、執筆を始めとしてそこで稼いでいきたい。それは、今のところ野望というほどのものじゃない「想い」ですね。

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イ:それを「想い」始めたのはいつ頃からですか?

松:ネットを始めたころ…。8年くらい前です。決定的に「これだな」と思ったのは、ミクシ―始めたころです。

イ:なぜ「これだな」と思ったんですか?

松:「わりと共感を紡ぐのが、得意なんだな」と自覚したんです。

イ:その時点で「5年後10年後はこうやっていこう」みたいなモデルはあったんですか?

松:いや、モデルは全然なかったです。2年ぐらいミクシ―をやって行く中で徐々に「SNSはこんな感じなんだな」、と自分の中でイメージすることができて、いろいろな人と知り合うことができて、面白さを感じていきました。

イ:どんどん人と知り合いになっていくことって面白い?

松:最初は、「じゃあ、スバル代行使うわ!」という人が毎日増えていったんですよ。「これはすごい!」と思って、はじめは完全に営業ツールという感じでした…。オフ会などにも参加して、一度に3、40人の方と名刺交換をして、その帰りにスバル代行を使ってもらったり…。それが0円のコストでできちゃうんですよね。

イ:それは今でも続けているんですか。

松:今でもできていますけど、米子では限界がありますよね。当時は面白いようにお客さんが増えいきました。当初、スバル代行を売り込むためにしていたことが、「『松本誠二』という、変な人がいる!」みたいなことになってきて、僕そのものが広告塔みたいになってきたんですよ。キャラ立ちというか…。次第に自分で「松本誠二」というキャラを作ることに喜びを感じるようになって、「こいつに稼がせたらどうだ?」と思ったんです。僕であって、僕でない。メディアが育てたキャラ。最初、それに戸惑っていた時期もありましたけど、次第に「それはそれでいいのでは」と思って、更にブログをやるようになって「こいつをもっと面白くして稼がしたらどうだ?」と、ハッキリと自覚したんですよ。

イ:普通はキャラが先で、商売が後だと思うんですけど、松本さんの場合は、「商売が先」で「キャラが後」ですね。

松:だけど、「キャラで稼ぎたい!」と思っているわけですから、やっぱり、「キャラが先」ですよ。今はネット上での「松本誠二」というキャラを造っている最中です。

イ:それは、誰もができることじゃないですね。

松:一般化はしにくいことですよね。でも僕は苦ではないです。楽しいと思う人間だから、「いいんじゃないの」みたいな。

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イ:それで、収益をあげるということは、どの辺から考え始めたんですか?

松:ミクシ―の最後の頃、キャラを作っていくことの楽しみを見つけたんですね。「誠二さんって辛口ですよね。」とか「育児とか料理とか、すごい面白い!」と言われるようになり、それは、もちろん嘘ではないけど、「それ程でもないよ!」みたいな違和感みたいなのはあったんです。止めようかとも思いましたけど、「そこをあえて尖らせたらどうか?」と考えたんです。尖らせたくない所を、「そこが受けるから」といって尖らせているわけじゃなく、自分の好きな部分を尖らせていくと、喜んでくれる人がいる。その喜んでくれる人がいることが、すごく楽しいんですよ。

イ:たとえば、女性を取り込もうとするとき、料理とか、育児とか、オシャレとか、興味がありそうなところ、普通の人が尖らせれないところを尖らせていく、それも一種の戦略ですか?

松:戦略というのではなく、「楽しくて仕方ない!」という感じです。

イ:それは、フツーの人、たとえば私なんかは持っていないものです。そんなフツーの人は多いですよね。

松:「みんなもやればいいのにな」と思いますけど、どうやら、みんなあまり、そういう所に興味がないというか…。

イ:尖ることができなかったら、見透かされてしまいますから。「ウケねらっているんじゃないの?」ということになってしまいますよね。そこが、難しいですね。…ところで、今後はどういう展開をしていこうと思っていますか?

松:ブログをやりだした時に、有料のメールマガジンを始めたんですね。

イ:何年ぐらい前から?

松:2年ぐらい前です。最初は「常識的に考えて、お金出して読むなんてありえない」と思っていたんですけど、20人くらいの人が読者になったんです。「誠二さん最高です!1ヵ月千円安いです!!」みたいな人が来て、「そういう人たちを世界中から募れば、これもありえるんだな」と思ったんです。文章書くのは好きですし、あくまでも「松本誠二」というキャラですから…。創作とまでいかないけど、いろいろ書けるんですよね…。楽しんでくれる人がいて、ネット上でお客さんを集めて書いたものを売るやり方が、現時点で一番熱心にやりたいことです。

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イ:フェイスブックとかに、無料で載せているものと、有料のものはどこが違うんですか?

松:結論から言うと、どこも違わないです。悩んだ時期もあったんです。「お金を出してもらっているから、いいこと書かなきゃいけない」というか、「深いこと書かなきゃいけない」とか、「全然違うこと書かなきゃいけない」とか、考えた時期もあったけど、どうやら読者はそういうことは望んではいない。むしろ、「何故違ったこと書くの?」みたいな反応を感じます。同じ内容のことはもちろん書かないですけどね…。

イ:「同じことを書かない」となると、当然ネタの引出しをどんどん作っておかないといけなくなるでしょう? 引出しの中身はどうやって仕入れているんですか?

松:一時期かなり苦しんだこともありました。24時間「引出しを増やさなきゃいけない!」と思って追い込まれていた時期もあったんですけど、今は少し落ち着いて、自分の引出しが10あるとしたら、「フェイスブックでは5しか開けずに、残りの5は、メルマガにとっておこう」とか、そういうことが、考えられるようになってきました。

イ:それは、「一つのネタを掘り下げていく」みたいなことですか?

松:掘り下げるという言い方は少し違います。今、メルマガはスーツの話題が盛り上がっているんですけど、スーツのことは、フェイスブックでは、書かないようにしています。

イ:なるほど。ネタのすみわけみたいなことなんだ。それで、フェイスブックでは、見出しみたいなものだけを出して、興味をそそらせるみないな感じですね。

松:そうです。

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イ:ネットワークのプロですね。

松:プロにならざるをえないですよね。フェイスブックの雑談で僕に興味を持ち、願わくば僕の書いているものを読んでもらって、更にメルマガの紹介を見て、「誠二さんなら、面白いこと書いているだろう!」と期待が高まり、有料メルマガを買ってもらう。というのが理想です。

イ:これだけたくさんの人が、ソーシャルメディアに参加している中で、記事の質を保ちつつ、頭一つ抜けている理由は、メディアを理解していることと、センスが必要だと感じます。

松:自分で言っていいのかわかりませんけど、そうなんだと思います。5年6年やっていますし、いろいろノウハウがあります。

イ:例えば、「どこかで外食しました!」みたいなネタのとき、「また食べ物のネタか…苦しまぎれに」と思うことがありますが、松本さんのネタを見ると、何か「行ってみようかな…。」と思って、どこにあるのか調べたり、「行かなきゃ!」という気持ちになります。当然、読んでいる人もバカじゃないですから、「この人は本気で書いてるから、間違いなくウマいはず!」と思わせる。周りに遠慮なくバチャバチャ撮った画像をアップして、「ここにいるなう」では、単に居場所を特定されているだけですもんね…。

松:(笑)

(取材/2012年7月14日)

有限会社スバル代行
住所:米子市米原9-11-13
TEL:0859-34-2482

松本誠二
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