松本誠二さん

今回登場する松本誠二さんは、
スバル代行という会社の社長をしながら、
ソーシャルネットワークやラジオのパーソナリティなどで
発信をすることによって、さまざまな方とのつながりを深めている方です。
今回は、彼に「つながること」「はたらくこと」について聞いてみました。

人物図鑑インデックス

松本誠二_index
名前 松本 誠二
職業 代行業経営、「松本誠二」
趣味 料理と妻
略歴 96年 ㈲スバル代行入社
 
 

第4回 はたらき方の変化

イ:ネットワークが多様化していくと、働き方も変化していきますよね。たとえば、ノマドワーカーみたいに住所不定、モバイル1個で働く人がいますよね。そういう働き方が最先端で、デジタルを使いこなせず机に向かっているのは昔のやり方、という時代の雰囲気を感じますが、それについてどう思いますか?

松:いつの時代もそうなんですけど、そういう先端風なものをメディアがちやほやするのって、まやかしですから。ノマドワーカーで活躍している人なんて、実際は全国に一握りで、そういう人はいいんですけど、一方に振れすぎる空気があって、自分の机に向かってガリガリ仕事している人が時代遅れみたいに思われてるけど、全然そんなことないですよね。これからもそういう人たちがメインだし、まったく否定するものではないと思っています。そういうアナログな環境で仕事している人に違和感はないです。

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イ:デジタルを操れない人はどうすればいいんでしょうか?

松:別に操らないでいいんじゃないですか。それは、見捨てるとかそういうことではなくて、みんながみんな出来るわけじゃないじゃないですか。例えば、僕のようにネット上で自分のブランディングをしていくとか、それは誰にでもできることじゃないと思います。でも、誰にでも出来ないすごいことだという意識は僕にはなくて、人間向き不向きがありますから、自分のできるところで仕事をする。これが基本中の基本だと思います。出来ないことを無理してやる必要はない。ただ、興味のあることは、「勉強はしてみてもいいんじゃないの」とは思いますけど…。「やってみたけど、自分には向かない」と思うことを無理してする必要は全然ない、と基本的に思っています。

イ:松本さんのネットワーク上でのつながりは、つながったあとで、リアルなつながりになった人がたくさんいると思いますが、私の場合は、ほとんどがアナログからアナログのつながりです。未だにそういう人は多いと感じますが、アナログ層と今後つながっていきたいと考えていますか?

松:つながりたいと思っています。

イ:それは、どういう形で?

松:それはわからないです。わからないというか、全体が100の中で100拾うというのは無理なことですよね。例えば、ネットで30ぐらい、その他で10の人とつながっているとしましょうか。残りは60あるわけですけど、よくあるのはそういう人たちは切っちゃう人もいるんです。「来ない人はいい」みたいな。けど僕は切らないんです。どういうつながりができるかは自分でもわからないけど、ある程度アンテナだけは張っておきたい。最近、よく女房の友達が家に来てくれるようになって、長男が小学校行くようになって、10人ぐらい来るんだけど、誰一人として僕のこと知らないんです。アナログの人にとっては、それが当たり前だと思うけど、ネット上ではチヤホヤされてるから、「知らないの?」みたいな。完全な自惚れなんですけど。でも、そういうことを見ると、「ハッ」と思うわけですよ。「ここには、僕を知らない人がこんなにたくさんいるんだ!」とワクワクするんです。「この人たちとどうやって繋がっていこうかな」と思うんです。だから、アンテナだけは立てておきたい。

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イ:それは、現在のメインはネット上だけど、「アナログつながりも意識しながらやっているんだよ」みたいな感じですね。

松:そうそう。逆に自分の知らないフィールドとか、おじいさん、おばあさんの集まりとか未開拓の層はメチャクチャあるわけですよ。

イ:それは宝の山かもしれませんね。

松:ワクワクするんですよね。そういう人たちと出会った時に、「今度はこの人たちと、どうやってつながっていこうかな?」というのは、また別のことなので、とりあえずはメディアでいろんなことがやりたいんですよ。ラジオもやりたければ、ブログもやりたいし、料理もやりたいし。料理の宣伝はネットでできますけど、実態としては完全なリアルですよね、当然。だから、それはそれでやっていきたい。

イ:それが、何年後かの将来的なイメージなんですね。アナログとの繋がりとか、本を出すとか、もっと、県外とか外に発信してつながるということ、いろんな世界の人とつながることによって、また新しい引出しができて、それをフィードバックしていくような流れですね。

松:そうですね。

イ:そこまで考えてやっている人って、あまりいないんでしょうね。

松:わかりません。自分もそんなにすごく考えているわけでもなかったけど、5年ぐらい経つとそういうところまで考えています。

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イ:それは面白いですね。ところで、興味のあるもので、まだ発信してないものはありますか?

松:ありません。忘れているものがあるのかもしれないですけど、全部出していると思いますね。何でも全部出すところが、僕のキャラクターの基本なんで。

イ:婦人雑誌とか女性雑誌とか、ほんとに毎月買って読んでいるんですか?

松:立ち読み厳禁なんで、買って読んでます(笑)。

イ:膨大な量ですよね?

松:月15冊とか20冊とかその程度です。

イ:男性誌は買いますか?

松:買いますけど、男性誌は発信ツールとしてはそんなに面白くない。からかうのには女の人の方が面白いですよね。

イ:「からかう」というのは?

松:ん~。なんていうのかな…。たとえば、男性誌のセックスの記事なんか、僕が取り上げると笑えないですよね。だけど、男なのに女性誌のことを書くと、とたんに笑いが起こるんですよ。

イ:男性誌のことを書くと、単なる「おっさん化」してしまう。キャラが違うということですか?

松:そうです。本当はそういうのを面白おかしく書くのが力量なんでしょうけど、僕はまだそこまで達してないから、女性誌の方がやりやすい。いじりやすいし、みんなも違和感がない。

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イ:なるほど。最後に働くことについて伺いますが、私は基本的にどんな仕事でもありだと思っています。どんな環境でも、そこで面白いと感じることができれば、それでいいと思いますが、その点についてどう思いますか?

松:どうなのかな。身もふたもない言い方すれば、人によるな、と思います。僕は、何でもたいがいポジティブにとらえられる。あまりへこまない。最初の話に戻りますけど、スバル代行入ったとき、最悪でしたよ。ブラック企業で、財務むちゃくちゃで、他の従業員からけちょんけちょんに言われて…。だけどこんな変な人たちがいるんだなと、ワクワクするんですよね。たぶん普通の人はワクワクはしないだろうな。どんな状況に置かれてもどうもポジティブにとらえることができやすい。最悪な所に入っていくのが、こわくない。むしろ、楽しい。

イ:それは、どんな環境でも、どんな人とも同じ目線で付きあえるということでしょうか?

松:いろんな人たちがいるから、誰もがそうじゃないだろうなと思います。「ここでは働きたくない!」と思う人もいる。それは仕方ないことだと思いますし、職業訓練をして、自分が思う所に行きたいと目指している人がいるというのも、僕は悪いことじゃないと思います。

イ:それは、「本気で目指していれば」ということですか?

松:いや、嘘はいけないけど、本気じゃなくてもいいんじゃないですか。みんながみんな本気になったら、大変なことですよ。なんだってできますよ。正解は一つじゃないですよ。

イ:確かに。

(取材/2012年7月14日)

有限会社スバル代行
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松本誠二
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