求人票を裏読みする ① 「賃金(給与)」
求人票は、「ただ漠然と見る」のではなく、
「求人企業は何でこういう条件を出しているのか?」
という「意図」を考える必要があります。
数回にわたり、その「『視点』の持ち方」をアドバイスしたいと思います。
「賃金(給与)について」
求人で重視するもののひとつに「賃金」があります。
「総支給」と言われるものは、「基本給」と「各種手当など」を含めた総額です。
「手取り」とは「社会保険負担分など」を差し引いたものです。
通常、求人票には「総支給額」が賃金として大きく記載されています。
以前、事務職を目指している求職者の方が、ある求人票を持ってきて、
「賃金が月15万円ありますから、いい条件ですよね!」
と話していたのですが、よく見ると、
「基本給9万円。手当6万円」
と書いてありました。(基本給は時間当たり511円です)
ここまで手当の比率が高い求人は少ないのですが、これはホントに「良い条件」なのでしょうか?
「なぜ手当分が多いのか?」
その本意はわかりませんが、ある程度の想像はできます。
あくまで想像ですが、この会社は相当「コスト意識」を持っている会社だと思います。(それ以上ここでは書けません)
また、賃金を適当に決めている会社もあると思います。
これは、私の経験ですが、社員が少ない時(今も少ないですけど)その給与は、同業他社を参考に「こんなもんだろう」という感じで適当に決めていました。
次第にはたらく人が多くなっていくと、これでは社員間の賃金のつじつまが合わなくなってくるんですね。その時初めて「会社の賃金体系を考える必要がある」と感じるわけです。
ですから、傾向として(あくまで「傾向」です)、
「従業員の少ない会社の賃金は流動的である可能性が高い」
と捉えるべきだと思います。その一方、
「従業員の多い会社は、賃金体系があり、昇給基準なども明確である可能性が高い」
と思います。(念押ししますが、あくまで「傾向」です)
こういう話をすると、
「やっぱり行くなら大きな会社かな・・・。」
と思いがちですが、そうとばかりは言えません。
たとえば、小さな会社で大きな貢献をしている場合、(貢献度を正しく評価する経営者であれば)それがより賃金やボーナスに反映されやすいのは、小さな会社だと思います。
いずれにしても、
「賃金を数字(金額)だけで決めずに、その意図をくみ取ること、イメージすること」
が重要です。
(2012.9.11)