「若さ」という器に入れるもの

ある大学のゼミで、教授が学生の前に透明の入れ物を置き、おもむろにその中へ大きな岩を入れました。


  


  

さらに、入れ物の中に小石を入れ、教授は生徒に質問しました。


  

「この中は岩と小石でいっぱいだが、もう何も入らないかね?」

学生たちは答えました。『はい、もう何も入りません』


教授は「いや、まだ砂が入る」と話し、黙々と砂を入れていきました。


  

そして、入れ物が砂でいっぱいになると、再び学生たちに問いかけました。

「さて、もう何も入らないかね?」

学生たちは答えます。『はい、今度こそ、もう何も入りません』


教授は答えます。「いや、まだ水が入る」

   


教授は、入れ物の中に水をいっぱいに満たしたあと、

「さて、今日の講義を通して、私はみんなに何を伝えたかったのかわるかね?」と、学生たちに問いかけます。


しばらくの沈黙のあと、一人の学生が言いました。

『「自分の限界を決めるな!」ということだと思います』


教授は言いました、「いや、まったく違う。私はそんなことを伝えたいんじゃない!」


学生たちがキョトンとする中、教授は、


「私が今回みんなに伝えたかったのは、人生においての順番なんだ」


教授は続けます。



「今回の実験では、先に岩を入れたからこそ、次に小石、砂が入り、水が入った。これを人生にたとえると、10代でしかできない苦労や経験があり、20代でしかできない苦労や経験があるということなんだ。君たちは人生という器の中に、まず何を入れるのか。それを君たちに伝えたかったのだ」



「10代、20代で入れるもの」

それが何なのかはっきりわかりはじめるのは、おそらくもっと先のことだと思います。当事者には、なかなかわからない。でも、

「10代、20代が持っていて、それ以上の年代には少ないもの(あるいは「ないもの」)」

ということであれば、なんとなくわかるかと思います。


苦労や経験。これを積み重ねるほど、次の年代では輝くことができる。


そう信じて歩んで行ってほしいと思います。


※学生と生徒の講義の部分は、藤田晋氏(㈱サイバーエージェント社長)のブログ記事を引用しています。

(2012.09.21)